ツイッターやLINEなどに慣れていると、封筒やはがきのマナーで悩む場面が出てきます。特に上下関係がない人とのやり取りは、細かいことを気にしなくても良いです。
そういう人たちばかりと付き合っていれば、楽だと思います。しかし、社会人になれば、最低限のビジネスマナーとして、必要になってきます。
そこで、宛名の書き方で間違えやすい御中と様などの使い方をまとめました。
御中と様の使い分け
ビジネスシーンで間違った使い方を多く見かけるのが、御中(おんちゅう)と様です。私自身、新入社員のときに、ミスをして起こられたことがあります。
使い分けを間違えないためには、基本を知っておくのが一番です。
- 御中とは?
- 御中というのは、企業や部署など団体の中にいる人の誰かに対して使います。つまり、特定の相手がわからない場合です。そして、「中」に、ていねい語の「御」がついたと言われています。
- 様とは?
- 様は、個人に対する敬称です。相手が特定できるときに使います。
以上のことが理解できれば、御中と様の使い分けに悩むことはなくなるでしょう。
例えば、新たに取引したいと考えたときには、相手の担当者名を知らないことが多いですよね。そんな時は、下記のように宛て名を書きます。
株式会社ABC商事 営業部 大阪営業所 御中
このように書けば、大阪営業所の中の誰かあてになり、失礼にあたりません。大阪営業所の必要な人が読んでくれるでしょう。
すでに、取引をしていて、担当者の名前を知っている場合は、様を使います。
株式会社XYZ商事 営業部 名古屋営業所 加藤一郎 様
つまり、部署名の場合は「御中」、個人名の場合は「様」です。
御中と様を一緒に使うのは?
ここで、間違えやすいパターンを紹介します。次の書き方は、使い方として、どうでしょうか?
ABC工業株式会社 総務部 人事課 御中
鈴木 太郎 様
ていねいにすれば良いと思って、御中と様を同時に使っています。しかし、一緒に使うのは、間違いです。
上記の場合であれば、御中を書かずに様だけ書きましょう。新人時代に、同時に書いて、叱られたことがあります。ていねいすぎるのはダメって、日本語は難しいですよね。
ちなみに、「ご担当者 鈴木太郎 様」も二重敬語になります。正しくは、「担当 鈴木太郎 様」です。
行と御中と様の使い方や消し方
自分あての往復はがきや返信用封筒には、あて先の下に「行」を使います。こちらから、相手に送り返すときには、書き直すのがマナーです。
書き直すとき、「行」の消し方ですが、2本の線で消しましょう。1本だと消去したことが、わかりづらいからです。
そして、宛名が縦書きの場合は縦の2本線、横書きの場合は横の2本線だとキレイに見えます。書き加える敬称は、文字の読み方の流れにしたがうと良いでしょう。
縦書きであれば、上から下、右から左に読みますから、消した「行」の下もしくは左横に書きます。この位置だと、視線の流れが自然になるからです。
上で書いたように、団体名のあとは御中、個人名のあとは様を書き加えて返信します。
様と各位の使い方
メールの冒頭などで見かけるのが各位(かくい)です。意味は簡単に言えば、皆様にあたります。つまり、たくさんの人に対して、ひとりひとりを敬うときに使われる言葉です。
各位は、同じ内容の文章を多数の人に送るときに使えます。複数の人にメールや案内、お知らせを送信するさいに、いちいち名前を差し替えなくても良いから、とても便利です。
注意して欲しいのは、各位という言葉は敬称として使えます。だから、各位様というように同時に使うことができません。二重敬語になってしまうからです。
似たような使い方で、お客様各位があります。本来の使い方では、二重敬語で間違いですが、最近では認めれているようです。
個人にあてる場合は様を使い、たくさんの人へ同時にあてる場合は各位を使いましょう。
最後に
日本語には、使い方で悩む言葉が多いです。恥ずかしい思いをしないためにも、基本を押さえることが大切だと思います。
今回、あて名で間違えやすい言葉を紹介しました。いろんなパターンがあるので、疑問に思う場合もあるでしょう。そんな時は、コメントに質問していただければ、追記しますので、よろしくお願いします。
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